生命保険は本当に相続税対策になるのか
こんにちは。
新宿区・千代田区・文京区を中心に相続相談を行っております、
相続診断士・プライベートコンサルタントの乾浩一です。
相続対策のご相談を受けていると、
非常によく耳にする言葉があります。
- 「生命保険に入っておけば、相続税対策になりますよ」
- 「現金を保険に変えておけば、税金が安くなります」
- 「とりあえず生命保険を使った対策をしておきましょう」
こうした説明を、
保険の営業担当者や知人から
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、
生命保険は、相続税対策になる場合もあります。
しかし、ならないケース、むしろ逆効果になるケースもあります。
この記事では、
- 生命保険が相続税対策になると言われる理由
- 実際に「効果があるケース」「効果がないケース」
- 営業トークで語られにくい注意点
- 新宿区・千代田区・文京区の相続で特に考えるべきポイント
- なぜ専門家に相談しながら考える必要があるのか
を、相続の知識がない方にもわかるよう、
やさしく、丁寧にお伝えしていきます。
「生命保険=相続税対策」と言われる理由
まずは、
なぜ生命保険が相続税対策になると言われるのか、
その理由から見ていきましょう。
理由① 生命保険金には「非課税枠」がある
生命保険が相続対策として語られる
最大の理由が、これです。
生命保険金の非課税枠
という制度があります。
非課税枠の計算式
500万円 × 法定相続人の数
たとえば、
- 相続人が3人(配偶者+子ども2人)の場合
500万円 × 3人 = 1,500万円
この金額までは、
相続税がかかりません。
この仕組みだけを見ると、
「現金を生命保険に変えれば、
その分、相続税が安くなる」
と考えたくなります。
理由② 生命保険金はすぐに受け取れる
生命保険金は、
- 遺産分割協議が終わっていなくても
- 原則として、受取人が単独で請求でき
比較的早い段階で現金化できます。
このため、
- 相続税の納税資金
- 葬儀費用
- 当面の生活費
として使いやすい、というメリットがあります。
理由③ 「争族」対策としても使える
生命保険金は、
- 原則として
- 受取人固有の財産
とされます。
そのため、
- 遺産分割の対象になりにくい
- 特定の人に、確実に現金を残せる
という側面もあります。
ここまで聞くと「やっぱり生命保険は良さそう」に見えます
確かに、
- 非課税枠がある
- すぐに現金化できる
- 分けやすい
これだけを見ると、
生命保険はとても便利な相続対策に思えます。
しかし、
ここからが本当に大切な話です。
生命保険が「相続税対策にならない」ケース
実務の現場では、
「生命保険に入っていたのに、
相続税はほとんど減らなかった」
というケースも、
実は少なくありません。
ケース① すでに非課税枠を超えている
非課税枠は、
500万円 × 法定相続人の数
が上限です。
すでに、
- 生命保険に複数加入している
- 過去に契約した保険がある
場合、
新たに加入しても、非課税枠を超える部分には
普通に相続税がかかります。
ケース② 現金を減らしただけで、全体は変わっていない
よくある勘違いがこちらです。
「現金を保険に変えたから、相続税が減るはず」
しかし実際には、
- 現金 → 生命保険
- 財産の“形”が変わっただけ
というケースも多いのです。
非課税枠を超えた部分については、
課税対象の財産としてカウントされます。
ケース③ 不動産中心の相続では効果が限定的
新宿区・千代田区・文京区の相続では、
- 土地
- 自宅
- 賃貸不動産
といった
不動産が相続財産の大部分を占める
ケースが多くあります。
この場合、
- 生命保険で非課税になる金額は数千万円
- 一方で、不動産評価は億単位
ということも珍しくありません。
結果として、
「生命保険はあっても、相続税全体にはほとんど影響しなかった」
ということも起こります。
生命保険が「逆効果」になるケースもある
さらに注意が必要なのは、
生命保険が逆効果になるケースです。
逆効果① 二次相続で税負担が増える
一次相続(父の相続)で、
- 配偶者を受取人にした生命保険
を活用するケースがあります。
一次相続では、
- 配偶者特例
- 生命保険の非課税枠
により、
相続税がほぼかからないこともあります。
しかしその結果、
配偶者に多くの財産が集中し、
二次相続(母の相続)で税負担が急増する
というケースが非常に多いのです。
逆効果② 保険料が家計を圧迫する
高齢になってから加入する生命保険は、
- 保険料が高い
- 払込期間が短い
という特徴があります。
相続税対策のつもりが、
「生活費を削って保険料を払っていた」
という状態になってしまっては、
本末転倒です。
65歳・女性・相続人の立場で考えてみましょう
あなたは65歳。
定年退職後、パートをしながら生活しています。
親は80代で、
- 都内に自宅
- 都内に複数の不動産
- 金融資産もある程度
相続人は、
- 配偶者
- 子ども2人(あなたとご兄弟)
このようなケースで、
「生命保険に入っておけば安心」
と単純に考えるのは、
実はとても危険です。
なぜなら、
- 不動産評価が高い
- 相続税の本丸は「土地」
- 生命保険は補助的な役割
になることが多いからです。
生命保険が「本当に役立つ」ケース
では逆に、
生命保険がとても有効に機能するケースもあります。
有効① 納税資金の確保
相続税は、
- 原則、現金一括納付
です。
不動産中心の相続では、
「税金を払うための現金が足りない」
という問題が起こりやすくなります。
このとき、
- 必要最低限の金額を
- 生命保険で準備しておく
という使い方は、
非常に合理的です。
有効② もめやすい相続の調整役
- 不動産は長男へ
- 代わりに、次男には生命保険金
といった形で、
分けにくい財産を調整する役割
として使われるケースもあります。
有効③ 特定の人に確実に残したい場合
- 介護をしてくれた子
- 経済的に弱い配偶者
こうした方へ、
確実に現金を残す手段として
生命保険が使われることもあります。
大切なのは「生命保険ありき」で考えないこと
ここで、
ぜひ覚えておいていただきたいことがあります。
生命保険は、相続対策の「主役」ではありません。
あくまで「道具のひとつ」です。
- 財産全体を把握する
- 不動産評価を確認する
- 一次・二次相続を見据える
そのうえで、
「このご家庭では、生命保険が必要か?」
を判断することが重要です。
営業トークと距離を置くことも大切です
生命保険の営業現場では、
- メリットが強調され
- デメリットが語られにくい
傾向があります。
決して悪意があるわけではありませんが、
「保険の視点だけで見た相続対策」
になってしまうことがあるのです。
相続対策は「点」ではなく「全体」で考える
- 不動産
- 現金
- 生命保険
- 家族関係
これらを
全体で見て設計することが、
本当の意味での相続対策です。
専門家に相談する意味
生命保険が、
- 本当に必要なのか
- どれくらいの金額が適切なのか
- 誰を受取人にすべきか
これを判断するには、
- 税金
- 不動産
- 家族構成
を横断的に見る必要があります。
個別相談のご案内(生命保険と相続)
新宿区・千代田区・文京区を中心に、
相続診断士・プライベートコンサルタントとして、
生命保険を含めた相続対策の個別相談を行っています。
- 生命保険は本当に必要か知りたい
- 今入っている保険が適切か確認したい
- 営業トークではなく、中立的な意見を聞きたい
どんなご相談でも構いません。
難しい言葉は使わず、
あなたのご家庭にとっての「最適解」を一緒に考えます。
「保険に入る前に、相談しておいてよかった」
そう思っていただける時間をお約束します。
相続診断士・プライベートコンサルタント
乾 浩一



