生前贈与は本当に得?2024年以降の改正点まとめ

こんにちは。
新宿区・千代田区・文京区を中心に相続相談を行っております、
相続診断士・プライベートコンサルタントの乾浩一です。

相続対策の話になると、
多くの方が、真っ先に思い浮かべるのが
**「生前贈与」**ではないでしょうか。

  • 「毎年110万円ずつ贈与すれば、相続税が安くなる」
  • 「生前贈与は、早く始めたほうが得ですよね?」
  • 「周りの人もやっているから、うちもやったほうがいいと思って…」

これまで、生前贈与は
相続対策の王道のように語られてきました。

しかし、
2024年以降、この前提が大きく変わっています。

この記事では、

  • 生前贈与は本当に「得」なのか
  • 2024年以降、何がどう変わったのか
  • 改正によって「損をするケース」「まだ有効なケース」
  • 新宿区・千代田区・文京区の相続で特に注意すべき点
  • なぜ早期に全体設計をする必要があるのか

を、相続の知識がない方にもわかるよう、
やさしく、丁寧に解説していきます。


そもそも生前贈与とは何か

生前贈与とは、
亡くなる前に、財産を子や孫などに渡すことです。

目的は主に、

  • 相続財産を減らす
  • 相続税の負担を軽くする

この2点です。

これまで、
生前贈与が広く使われてきた理由には、
税制上の仕組みがありました。


これまでの「生前贈与は得」と言われた理由

理由① 年間110万円まで非課税だった

贈与税には、
暦年贈与の非課税枠があります。

  • 1人あたり
  • 毎年110万円まで

この範囲内であれば、
贈与税はかかりません。

たとえば、

  • 子ども2人に
  • 毎年110万円ずつ

贈与すれば、
年間220万円を
無税で移転できることになります。


理由② 「相続開始前3年以内」ルールがあった

これまでの制度では、

相続開始前3年以内の贈与

だけが、
相続財産に持ち戻される
(相続税の計算に加算される)
仕組みでした。

そのため、

  • 3年より前に贈与しておけば
  • 相続税の対象から外れる

と考えられてきたのです。


2024年以降、何が変わったのか

ここからが、
最も重要なポイントです。

2024年以降、
生前贈与に関するルールが
大きく変更されました。


改正点① 「持ち戻し期間」が3年 → 7年に延長

これまで、

  • 相続開始前3年以内の贈与

だけが、
相続税の計算に加算されていました。

しかし改正により、

相続開始前7年以内の贈与

が、
相続財産に持ち戻される
対象になりました。


何が問題なのか

この変更により、

  • 「とりあえず毎年110万円ずつ贈与しておけば安心」
  • 「3年以上前に始めたから大丈夫」

という考え方が、
通用しなくなったのです。


改正点② 段階的な適用で、より分かりにくくなった

さらに厄介なのが、
この改正は
一気に7年になるのではなく、段階的に適用
される点です。

  • 最初は3年
  • 徐々に延びて
  • 最終的に7年

という仕組みになっています。

結果として、

「自分の場合は何年分が対象になるのか?」

が、
非常に分かりにくくなっています。


「生前贈与=必ず得」とは言えなくなった理由

理由① せっかく贈与しても、相続税に戻ってくる

7年以内の贈与は、
相続税の計算に加算されます。

つまり、

  • 贈与したつもりでも
  • 相続税が減らない

というケースが増えています。


理由② 贈与税の申告リスクが増える

暦年贈与は、

  • 贈与の都度
  • 実態が重要

です。

  • 名義だけ子ども
  • 実際は親が管理

といった場合、
贈与そのものが否認されるリスクもあります。


理由③ 管理できない贈与がトラブルになる

  • 誰にいくら贈与したか分からない
  • 兄弟間で不公平感が出る

結果として、

生前贈与が「争族」の原因

になるケースもあります。


それでも生前贈与が有効なケース

ここまで読むと、

「もう生前贈与は意味がないのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、
すべての生前贈与が無意味になったわけではありません。


有効① 長期間・計画的に行える場合

  • 10年、15年と
  • 長期的に継続できる

このようなケースでは、
今でも一定の効果があります。


有効② 相続税対策以外の目的がある場合

  • 子どもの生活支援
  • 孫の教育資金
  • 住宅取得の援助

こうした目的が明確であれば、
生前贈与は有効です。


有効③ 他の対策と組み合わせる場合

  • 不動産対策
  • 配偶者特例
  • 小規模宅地等の特例

これらと組み合わせて考えることで、
生前贈与が活きてくるケースもあります。


新宿区・千代田区・文京区の相続で特に注意すべき点

このエリアの相続では、

  • 不動産評価が高い
  • 相続税額が大きくなりやすい

という特徴があります。

そのため、

生前贈与だけで
相続税を大きく減らすのは難しい

ケースが非常に多いのです。


65歳・女性・相続人の立場で考えてみましょう

あなたは65歳。
定年退職後、パートをしながら生活しています。

親は80代で、

  • 都内に自宅
  • 都内に複数の不動産
  • 金融資産もある程度

相続人は、

  • 配偶者
  • 子ども2人(あなたとご兄弟)

このケースで、

「今から毎年110万円ずつ贈与すれば大丈夫」

と考えるのは、
非常に危険です。

なぜなら、

  • 親の年齢
  • 7年ルール
  • 不動産評価

を考えると、
生前贈与の効果が限定的
になる可能性が高いからです。


生前贈与より大切な「全体設計」

ここで、
私が最もお伝えしたいことがあります。

生前贈与は、
相続対策の「一部」にすぎません。

  • 財産の全体像
  • 不動産の評価
  • 一次相続・二次相続
  • 家族関係

これを
総合的に設計することが、
2024年以降の相続対策では不可欠です。


「とりあえず贈与」は一番危険

相談現場で、
よく聞く後悔があります。

「周りがやっているから、
とりあえず贈与していました」

制度が変わった今、
この考え方は
大きなリスクになります。


専門家に相談する意味

生前贈与の判断には、

  • 税制改正の理解
  • 将来の相続時期の想定
  • 他の特例との関係

が必要です。

ネットや噂話だけで
判断するのは、
とても危険です。


個別相談のご案内(生前贈与・制度改正対応)

新宿区・千代田区・文京区を中心に、
相続診断士・プライベートコンサルタントとして、
2024年以降の制度改正を踏まえた相続相談を行っています。

  • 生前贈与を続けるべきか迷っている
  • 改正の影響を知りたい
  • 今からできる最適な対策を整理したい

どんなご相談でも構いません。
難しい言葉は使わず、
あなたのご家庭に合った選択肢を一緒に考えます。

「改正を知らずに続けていたら、損をしていた」
そうならないために、
ぜひ一度、ご相談ください。

相続診断士・プライベートコンサルタント
乾 浩一