公正証書遺言と自筆証書遺言の違いを税理士目線で解説

こんにちは。
新宿区・千代田区・文京区を中心に相続相談を行っております、
相続診断士・プライベートコンサルタントの乾浩一です。

相続や遺言のご相談を受けていると、
非常によくいただく質問があります。

  • 「遺言書には種類があると聞いたけれど、何が違うの?」
  • 「公正証書遺言と自筆証書遺言、どちらがいいんでしょうか?」
  • 「費用がかかるなら、自分で書いたほうがいいのでは?」
  • 「税金の面では違いがあるのですか?」

遺言書は、
「書けばそれで終わり」ではありません。

書き方を間違えると、

  • 無効になる
  • かえって相続人同士が揉める
  • 相続税で損をする

といった結果につながることもあります。

この記事では、

  • 公正証書遺言と自筆証書遺言の基本的な違い
  • 税理士目線で見たメリット・デメリット
  • 都心部(新宿区・千代田区・文京区)の相続で注意すべき点
  • どんな方に、どちらの遺言書が向いているのか

を、相続の知識がない方にも理解できるよう、
やさしく、丁寧に解説していきます。


そもそも「遺言書」とは何のためにあるのか

遺言書とは、
**亡くなったあとに、財産をどう分けるかを示す「最終意思」**です。

ただし、実務の現場で感じるのは、
遺言書の役割はそれだけではありません。

遺言書には、

  • 相続人に判断基準を示す
  • 遺産分割協議の土台をつくる
  • 無用な争いを防ぐ

という、非常に重要な役割があります。

特に、

  • 相続人が複数いる
  • 不動産が多い
  • 相続税がかかる可能性が高い

こうしたご家庭では、
遺言書の有無で相続の難易度が大きく変わります。


遺言書の種類は主に2つ

一般の方が利用する遺言書は、
主に次の2種類です。

  • 公正証書遺言
  • 自筆証書遺言

それぞれに、
明確な特徴と向き・不向きがあります。


公正証書遺言とは?

公正証書遺言の概要

公正証書遺言とは、
公証役場で、公証人が作成する遺言書です。

遺言者(本人)が、

  • 公証人に内容を伝え
  • 公証人が法的に整った文章にまとめ
  • 証人2名の立会いのもとで作成

という流れになります。


公正証書遺言のメリット

① 無効になるリスクが極めて低い

税理士・相続実務の立場から見て、
最大のメリットはここです。

  • 形式不備がない
  • 内容が明確
  • 後から争われにくい

相続が始まったあと、

「この遺言書は無効だ」

と主張されるリスクが、
ほぼありません。


② 紛失・改ざんの心配がない

公正証書遺言は、
原本が公証役場で保管されます。

そのため、

  • 見つからない
  • 捨てられていた
  • 書き換えられていた

といった心配がありません。


③ 相続開始後、すぐに使える

自筆証書遺言と違い、
家庭裁判所の検認が不要です。

相続が始まったら、
すぐに手続きに使える点も大きなメリットです。


公正証書遺言のデメリット

① 費用がかかる

公正証書遺言は、

  • 公証人手数料
  • 専門家への相談費用

など、一定の費用がかかります。

ただし、
相続トラブルのリスクや、後々のコストを考えると、
決して高いとは言えない

というのが、実務家としての実感です。


② 内容を第三者に知られる可能性がある

証人2名が必要になるため、
完全に誰にも知られずに作成する、
というわけにはいきません。

もっとも、
専門家が証人になるケースがほとんどです。


自筆証書遺言とは?

自筆証書遺言の概要

自筆証書遺言とは、
遺言者が自分で書く遺言書です。

原則として、

  • 全文を自筆
  • 日付を記載
  • 署名・押印

が必要です。


自筆証書遺言のメリット

① 手軽に作成できる

  • 思い立ったときに書ける
  • 費用がほとんどかからない

という点は、大きなメリットです。


② 内容を誰にも知られずに作れる

「まだ家族には話したくない」
という方にとっては、
心理的なハードルが低い方法です。


自筆証書遺言のデメリット

① 無効になるリスクが高い

実務上、非常に多いのがこの問題です。

  • 書き方が間違っている
  • 日付が不明確
  • 内容があいまい

結果として、

「せっかく書いたのに使えない」

というケースが後を絶ちません。


② 検認手続きが必要

自筆証書遺言は、
相続開始後に家庭裁判所での検認が必要です。

これが、

  • 時間がかかる
  • 手続きが煩雑

という負担になります。


③ 紛失・改ざんのリスクがある

  • 見つからない
  • 故意に隠される
  • 破棄される

といったリスクも、現実的に存在します。


税理士目線で見た「大きな違い」

ここからは、
税理士・相続実務の視点で見た
重要な違いをお伝えします。


相続税対策との相性

相続税がかかる可能性が高い場合、

  • 不動産の分け方
  • 配偶者の税額軽減
  • 小規模宅地等の特例

などを考慮した遺言内容が必要になります。

この点で言えば、

👉 公正証書遺言のほうが圧倒的に有利

です。

理由は、

  • 専門家が関与しやすい
  • 税務・法務を踏まえた内容にできる

からです。


不動産が多い相続との相性

新宿区・千代田区・文京区では、

  • 自宅
  • 賃貸不動産
  • 土地

といった不動産が中心になる相続が多くなります。

不動産がある場合、

  • 誰が相続するか
  • 売るか残すか
  • 相続税をどう払うか

まで考えた遺言が必要です。

この点でも、
公正証書遺言が向いているケースが多い
と感じています。


65歳・女性・相続人の立場で考えてみましょう

あなたは65歳。
定年退職後、パートをしながら生活しています。

親は80代で、

  • 都内に自宅
  • 複数の不動産
  • 金融資産もある程度

相続人は、

  • 配偶者
  • 子ども2人

この状況で、
「どんな遺言書が残されているか」で、
相続の大変さは大きく変わります。


「自筆で十分」と考える前に知ってほしいこと

「自分で書けばいい」
そう思われる方も多いですが、

  • 本当にその内容で大丈夫か
  • 相続税で損をしないか
  • 家族が揉めないか

これを客観的に確認する人がいなければ、
リスクは残ったままです。


結局、どちらを選ぶべき?

公正証書遺言が向いている方

  • 不動産がある
  • 相続税がかかりそう
  • 相続人が複数いる
  • 絶対に揉めたくない

自筆証書遺言が向いている方

  • 財産がシンプル
  • 相続人が少ない
  • まずは意思を残したい

ただし、
専門家によるチェックは必須です。


遺言書は「書き方」より「中身」

遺言書は、

  • 公正証書か
  • 自筆か

よりも、

「中身が適切かどうか」

が何より重要です。


専門家に相談する意味

遺言書は、

  • 法律
  • 税金
  • 家族関係

を総合的に考える必要があります。

だからこそ、

「どちらを選ぶか」
「何を書くか」

は、
専門家と一緒に考えることをおすすめします。


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相続診断士・プライベートコンサルタント
乾 浩一