配偶者はどこまで相続できる?配偶者特例を分かりやすく解説
こんにちは。
新宿区・千代田区・文京区を中心に相続相談を行っております、
相続診断士・プライベートコンサルタントの乾浩一です。
相続のご相談で、配偶者の方やお子さま世代から、
非常によくいただく質問があります。
- 「配偶者なら、相続税はかからないんですよね?」
- 「配偶者特例があると聞いたので、特に心配していません」
- 「とりあえず、全部を配偶者が相続すればいいと思っていました」
こうしたお考えは、
半分は正しく、半分はとても危険です。
確かに、相続税には
「配偶者の税額軽減(いわゆる配偶者特例)」
という大きな制度があります。
しかしこの制度は、
正しく理解して使わなければ、後の相続(二次相続)で大きな負担
になることも少なくありません。
この記事では、
- 配偶者は法律上、どこまで相続できるのか
- 配偶者特例とはどんな制度なのか
- 「配偶者が全部相続する」ことのメリット・デメリット
- なぜ二次相続まで考える必要があるのか
を、相続の知識がない方にもわかるよう、
やさしく丁寧に解説していきます。
配偶者は必ず相続人になる
まず大前提として、
配偶者は必ず相続人になります。
- 子どもがいても
- 親がいても
- 兄弟姉妹がいても
常に相続人になるのが、配偶者です。
これは、民法で明確に定められています。
配偶者の法定相続分はどれくらい?
配偶者がどれくらい相続できるかは、
誰と一緒に相続人になるかによって変わります。
配偶者と子どもが相続人の場合
- 配偶者:1/2
- 子ども:1/2(人数で等分)
最も一般的なケースです。
配偶者と親が相続人の場合
- 配偶者:2/3
- 親:1/3
配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
- 配偶者:3/4
- 兄弟姉妹:1/4
このように、
配偶者の取り分は法律上もしっかり守られています。
「配偶者特例(配偶者の税額軽減)」とは?
ここからが、
多くの方が安心してしまうポイントです。
配偶者特例とは、
相続税の計算において、
配偶者が相続した財産については、
一定額まで相続税がかからない
という制度です。
配偶者特例の具体的な内容
配偶者が相続した財産のうち、
- 1億6,000万円まで
- または法定相続分まで
このどちらか多い金額までは、
相続税がかかりません。
たとえば、
- 相続財産が1億円
- すべてを配偶者が相続
この場合、
相続税は0円になります。
この制度があるため、
「配偶者が全部相続すれば大丈夫」
と考える方が多いのです。
ここが落とし穴:「一次相続」だけ見ていませんか?
配偶者特例は、
一次相続(最初の相続)では非常に強力です。
しかし、
その先に必ずやってくる「二次相続」
まで考えないと、大きな問題が起こります。
二次相続とは何か
二次相続とは、
- 最初に亡くなった方の相続(一次相続)のあと
- 残された配偶者が亡くなったときの相続
のことを指します。
つまり、
- 一次相続:父が亡くなった
- 二次相続:その後、母が亡くなった
この2回の相続を
セットで考える必要があるのです。
なぜ二次相続で問題が起きやすいのか
理由① 配偶者特例が使えない
二次相続では、
配偶者特例は使えません。
なぜなら、
配偶者がいない相続になるからです。
一次相続で税金が0円だったとしても、
二次相続で一気に高額な相続税が発生することがあります。
理由② 相続人が減る
一次相続では、
- 配偶者
- 子ども
が相続人になります。
しかし、二次相続では、
- 子どもだけ
になります。
相続人が減ると、
- 基礎控除額が減る
- 税負担が重くなる
という影響があります。
理由③ 財産が配偶者に集中している
一次相続で、
「全部、配偶者が相続した」
この場合、
二次相続では、
その全財産が一度に子どもへ移ることになります。
結果として、
- 相続税が高額になる
- 納税資金が足りない
といった問題が起こりやすくなります。
65歳・女性・相続人の立場で考えてみましょう
あなたは65歳。
定年退職後、パートをしながら生活しています。
親は80代で亡くなり、
- 都内に自宅
- 都内に複数の不動産
- 金融資産もある程度
相続人は、
- 母
- 子ども2人(あなたとご兄弟)
このとき、
「母が全部相続すれば、相続税はかからないから」
と判断したとします。
確かに、
一次相続では相続税は0円かもしれません。
しかしその後、
母が亡くなったとき、
子ども2人で高額な相続税を負担する
可能性が高くなります。
「配偶者が全部相続する」メリット
もちろん、
配偶者が多く相続すること自体が
悪いわけではありません。
メリット① 配偶者の生活が守られる
- 自宅を確保できる
- 生活資金に困らない
これは非常に大切な視点です。
メリット② 一次相続の税負担を抑えられる
配偶者特例により、
一次相続での税負担を
大きく軽減できます。
「配偶者が全部相続する」デメリット
デメリット① 二次相続で税負担が重くなる
先ほどお伝えした通り、
二次相続での相続税が高額になる可能性があります。
デメリット② 子どもが関与しづらくなる
一次相続で子どもが何も相続しないと、
- 財産の把握ができない
- 将来の対策が立てづらい
という問題も出てきます。
配偶者特例は「使い方」が重要
配偶者特例は、
使うか・使わないか
ではなく、
どの程度使うか
が重要です。
- 配偶者が最低限必要な分を相続する
- 残りを子どもへ分散させる
こうしたバランスによって、
一次・二次トータルでの税負担
を抑えられるケースも多くあります。
生前対策でできること
配偶者特例を活かすためには、
- 財産の全体像を把握する
- 一次・二次相続を試算する
- 遺言書で分け方を決めておく
といった準備が欠かせません。
これらは、
生前でなければできない対策です。
「配偶者がいるから安心」は危険な思い込み
相談現場でよく聞く言葉があります。
「配偶者がいるから大丈夫だと思っていました」
しかし実際には、
- 配偶者がいるからこそ
- 配偶者特例があるからこそ
慎重な設計が必要なのです。
専門家に相談する意味
配偶者特例は、
- 法律
- 税金
- 家族関係
を総合的に考えなければなりません。
一部だけを見て判断すると、
後で取り返しのつかない結果になることもあります。
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配偶者特例・二次相続を含めた相続相談を行っています。
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難しい言葉は使わず、
ご家族の状況に合わせて、丁寧にご説明します。
「もっと早く相談しておけばよかった」
そう後悔しないために、
ぜひ一度、お話を聞かせてください。
相続診断士・プライベートコンサルタント
乾 浩一



